2016年04月23日

公園のトイレで見た謎の手

中学のころ。


俺は父親の仕事の都合で、転校した。


転校した先は、ド田舎というほどではなかったが、都会とは呼べないような場所だった。


自宅から中学校まで、片道自転車で50分。


毎日、かなりの距離を自転車で走っていた。


ある日のこと。


俺は、学校の帰り道に無性にトイレに行きたくなってしまった。


立ちションしようかと思ったのだが、人気がないわけじゃない。


ここじゃできないな。


どこか横道に逸れて、立ションしようかと思って、普段通らない道に入っていく。


なかなか良さそうな場所がない。


そろそろ我慢の限界だ。


ああ、もうここらで立ちションしてしまおうかと思ったその時、公園らしきものが見えてきた。


おお、ラッキー。


急いでペダルをこいでその公園に行ってみると、小さな公園なのだが木がうっそうと生い茂り、昼間なのに薄暗かった。


トイレは設置されていたが、さらに薄暗く不気味な雰囲気に見えた。


でも今はそんなことは気にしていられない。


自転車を放り出すように停めると、急いでトイレに駆け込んだ。


ジッパーをおろし、ホッと一息ついた。


間に合った・・・


無事、オシッコが終わると、手洗い場の水道をひねり手を洗った。


鏡越しにトイレ内を見ると、一つだけある個室の扉は閉まっていた。


誰かが使っているようだ。


こんな薄暗い中の個室はさぞ怖いだろうな、なんて思いながら振り返ってみた。


すると、トイレの個室の下の隙間から、手が出ていた。


手、人間の手。


俺は危うく叫び出すところだった。


なんで、こんなところから手が・・・?


幽霊かと思って逃げようかと思ったのだが、これがもし倒れている人だったらどうしよう、とそっちが心配で逃げ出さずにいた。


怖かったが、個室の前まで行き、声をかけてみる。


「あ・・・あの、だ、大丈夫ですか?」


たぶん、声は震えていたと思う。


「あの・・・?大丈夫ですか?」


返事はない。


手は、ピクリとも動かない。


血の気のない薄汚れた感じの茶色っぽい手だった。


おそらく男性の手だ。


俺は怖くて怖くて、どうしようもなかった。


とりあえず誰かを呼ぼうと思った。


トイレの外に出て、辺りを見渡すが誰もいない。


ああ、さっきまでは人通りが多少あった道に今は誰もいないのがもどかしい。


その時の俺は、救急車を呼ぶということが頭になかった。


正確に言えば多少はあったのだが、もし大したことがないのに呼んでしまったら怒られるような気がしていたのだと思う。


「これは本当にヤバい」と確信が持てない以上、まだ呼んではダメだと思っていたのだ。


キョロキョロと挙動不審に、辺りを見渡し続ける。


そのとき、20代か30代か、メガネをかけた細身の男性が通りかかった。


俺は、泣きそうな顔で助けを求めた。


その男性は、俺の表情で緊迫感が伝わったのか、すぐに一緒にトイレに来てくれた。


だが、おかしいのだ。


個室の前まで行ってみると、個室の下から手が出ていないどころか、個室の扉は閉まっていない。


ドアは開いているのだ。


一緒に来てくれた眼鏡の男性は、個室の扉の裏まで確認してくれた。


「誰もいないみたいだね。」


「そ、そうみたいですね。」


なんだか、俺が嘘をついているみたいで非常に気まずい空気が流れた。


そんな空気を察してくれたのか、眼鏡の男性は明るくこう言ってくれた。


「ま、大したことないようで良かったよ。君は酔っ払いでも見たんじゃない?」


そうだろうか?


俺がさっきの「手」を見てから、おそらく2〜3分しか経っていない。


俺は、ずっと公園のすぐそばにいたのだ。


俺に見られることなく、姿を消すことはできるのだろうか?


いろいろ疑問に思ったのだが、誰もいない以上仕方ない。


眼鏡の男性にお礼を言うと、俺も家に帰ることにした。


次の日。


学校が終わり、いつものように自転車で帰っていた。


昨日の公園のすぐそばまで来ると、やけに警察官が多いことが気になった。


そのまま気にせず、自宅に帰ったのだが、家でびっくりすることを聞いた。


なんと、今日、ある男性が亡くなったらしいのだ。


昨日俺がオシッコをした公園のトイレでだ。


トイレの個室で発見されたのだという。


詳しい死因は俺のところまで情報はこなかったが、警察が捜査していなかったことから他殺ではないようだった。


俺が前日に見た「手」と何か関係はあるのだろうかと、本気で怖かった。


起きたまま予知夢でも見てしまったのか、それともあのトイレに何かの霊でも憑りついていたのか、詳しいことは全く分からない。


だが、俺にとっては、とてつもなく怖い経験となった。


タグ:公園 トイレ
posted by ぬーベー at 22:52 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2016年03月23日

不思議な実話 お寺で見かける着物を着た女の子

管理人が知り合いから聞いた話。


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僕が5〜6歳のころ、とある地域に住んでいた。


家のすぐそばにはお寺があり、僕が何か悪さをすると、母親は怒ってそのお寺に僕を放置した。


放置と言っても、時間にして30分くらいだったと思うが、当時の30分は数十時間にも感じられ、その罰はとても怖かった。


その寺はそれなりに広く、敷地内にはお墓もある。


あるとき、僕が何かの悪さをし、母はお寺に僕を置き去りにした。


もう日も暮れかけており、普段よりも遥かに怖かった。


僕は泣きながらお墓のそばに座り込んだ。


すると、8〜9歳くらいの女の子がこちらを見ていることに気が付いた。


その女の子は不思議なことに着物を着ていた。


綺麗な着物ではなく、なんというかちょっと小汚い感じの着物だった。


女の子は、僕に手招きをした。


怖い感じがしなかったので、僕は女の子のそばまで歩いていく。


泣いている理由を、女の子が聞いてきた。


僕はお母さんに怒られたのだと伝える。


すると女の子は、一緒に遊ぼうと提案してきた。


一人で心細かった僕は、首を縦に振る。


女の子は、お手玉のようなものを僕に教えてくれた。


お手玉とは少しだけ違うのだけど、基本的にはそっくりの遊びだった。


女の子は難しい言葉をよく使う子だった。


「家はどこなの?」と僕が聞くと、「○○池のそば。」と答えてくれた。


だけど、僕はその○○池を知らなかった。


家に帰り、両親に○○池のことを聞いてみたが、両親もその池を知らなかった。


「この辺りの地域ではないんじゃない?」と言われてしまった。


その女の子は、僕が怒られてお寺に連れていかれると必ずいた。


そして、僕と遊んでくれた。


あるとき、僕は引っ越すことになった。


もしも次、親に怒られたとしても、もうお寺に放置の刑はなくなるはずだった。


確か引っ越しの前々日だったと思う。


僕は一人でお寺に行き、女の子を探した。


女の子はすぐに出てきた。


僕が、「引っ越してしまうからもう来られない」と伝えると、寂しそうな顔をしていた。


そのときに、母親が僕を探しにお寺の敷地内に入ってきた。


そして、僕は驚いた。


女の子は、突然にフッと消えてしまったのだ。


まるで、僕の母親に見られたくないという感じだった。


あまりに突然のことで、何が何だか分からなかった。


母親に「今の見た?」と聞いたが、母はきょとんとした顔で「何を?」と返事をしてきただけだった。


あの女の子が、幽霊だったのかどうかは分からない。


ただ、自分が大人になり、あの女の子の言っていた「○○池」を図書館で調べてみたことがあった。


すると、明治時代に埋め立てられた池と書かれた資料を発見した。


そして、その池は当時僕が住んでいた家のすぐそばにあるらしかった。


どういうことなのか、さっぱり分からなかった。


なぜ、あの女の子が、そんな昔に埋め立てられた池のそばに住んでいるといったのか?


これは、僕が唯一体験した不思議なことだ。


だけど、怖さは全くなかった。


むしろ、一人で怖くて仕方なかった僕を救ってくれた、良い思い出だ。
posted by ぬーベー at 22:15 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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