これは、私が小学校時代に体験した不気味な話です。
あなたは、都市伝説のこっくりさんをご存知ですか?
地域によってやり方はだいぶ違うようですが、10円玉にみんなで指を置いて、「こっくりさん、こっくりさん、おいでください。」といった呪文を唱えるのです。
すると、10円玉が自然と動き出してその場に居る人間が知らないであろうことを教えてくれるという、儀式的な子供の遊びです。
私の通っていた小学校では、5年生の頃この遊びが一時的に流行りました。
放課後、両親共働きの友達の家(家の人が居ないため)に集まって、カーテンや雨戸を閉めて、部屋を暗くしてムードを作って「こっくりさん」を始めます。
最初のうちこそ、「こっくりさんへ、××の好きな人を教えてください」とか小学生らしい質問をしていたのですが、日が経つごとにそれではみんな満足できなくなってきて、質問がだんだんエスカレートしてきます。
それでも、
「××の寿命を教えてください」
など、その場に居ない人間のことを聞いているうちは良かったのです。
更にエスカレートした私達は、「ここにいる人で今年中に亡くなる人間を教えてください」なんて馬鹿な質問をした子がいました。
こっくりさんは、10円玉で「A子」の名前を指し示してしまいました。
A子はもうパニックです。
この日から、本当に大変でした。
A子は次の日から学校も来なくなり、通っていた塾にも顔を出さなくなりました。
心配して家に行ってみても、ほとんど会えない状態で、少し会えたときはかなり痩せてしまっていたのを覚えています。
その後しばらくして、A子は学校を辞めました。
噂では、どこか遠くに引っ越してしまったとか。
確かに前に住んでいた家には、他の人が住んでいたようなので遠くに行ったのだと思います。
大人になった今このことを思い出すと、一種の催眠状態だったのではないかと思います。
まだ小学生で心が真っ直ぐだったA子はこっくりさんの言葉に酷く怯えてしまい、学校にも来られなくなってしまったように思います。
都市伝説も、ここまでくるとかなり危険ですね。
最後に。
あの時いたメンバーの中で、A子のことを「今年いっぱいの寿命だ」と言ったのはいったい誰なのでしょうか。
大人になった今でもそれが分かりません。
私にとっては、こっくりさんよりもその子が怖いです。