2016年08月05日

レストランの怪 消えてしまった男性

これは管理人が聞いた話。


その人をAさんとしておこう。


Aさんは、学生時代にこじんまりしたレストランでバイトしていたそうだ。


その日Aさんは、ディナータイムの時間帯にバイトに入った。


普段その店は、ディナータイムを4人の店員で回しているそうだ。


ウエイター(ウエイトレス)が二人、コックが二人。


閉店が23時。


その後、1〜2時間ほど閉店作業があるらしい。


終電がある人は、閉店作業の途中でも帰ることがあるのだとか。


その日24時を過ぎて残っていたのは、Aさんとコックの男性(仮にBさんとしておこう)だったそうだ。


ほとんど閉店作業が終わった時だった。


突然コックの男性Bさんが、声にならないような声で小さな悲鳴をあげた。


「ううわっ・・・・」


最初、ゴキブリでも踏んだのかと思ったそうだ。


レストランであるまじきことかもしれないが、その店はゴキブリのよく出る店だったそうで。


Aさんは、コックのBさんの方に目を向けた。


そして、固まってしまったそうだ。


なんと、床から人間のものと思われる手が出ていて、Bさんの足首を掴んでいたのだ。


目の錯覚だと思った。


そして、真っ先に恐怖を感じたはずなのに、AさんはコックのBさんに近づいていった。


近づいた理由は本人もよく分からないらしい。


Aさんが近づいていくと、その「手」はスルスルと床に引っ込んで消えてしまったそうだ。


もちろん、床に穴など開いていない。


「な、なんすか、今の?」


思わず尋ねるAさん。


コックのBさんは、顔面蒼白で小刻みに震え、「さ、さあな。な、何か見えたのか?」と明らかに動揺しながら、何事もないように振る舞おうとしていたそうだ。


Aさんの目には、色々心当たりがあるが言ってはならないことだ、という風に感じ取れたらしい。


もちろん、これはAさんが勝手に感じたことだから、真実であるかどうかは分からない。


Bさんは、過呼吸のように息が荒くなっていたが、それでも平然を装おうとしていたという。


閉店作業も終わり、二人はそのまま帰宅した。


次の日も、Aさんはバイトに入っていた。


夕方になりバイトに行ってみると、店長がカンカンに怒っていた。


何かあったのかと聞いてみると、コックのBさんが無断欠勤しているらしい。


連絡も取れないそうだ。


お蔭で、ランチタイムが地獄だったのだとか。


ランチタイムは、それでなくとも人手が足りていないのだ。


Aさんもランチタイムに入ったことがあるから知っている。


スタッフが揃っていても、かなり忙しく、終わった後はくたくたになってしまうくらいだ。


コックが一人が来てないなら、さぞ大変だったろうなと思えた。


Bさんは20代後半で正社員として働いていた。


今まで無断で休んだことなど1度もなかった。


仕事も真面目で、少なくとも無責任な男には見えなかったそうだ。


もしかすると、昨日の心霊体験(?)と何か関係があるのではないかと、思ったAさん。


Bさんは、その後も一切連絡が取れなくなってしまったのだとか。


さらにその後のことはAさんも詳しく知らないそうだが、噂では完全に失踪してしまったそうだ。


忽然といなくなってしまったのだとか。


深層は闇の中。


あの日見た床から突き出た「手」は、何だったのだろうか?


Aさんの見間違いではなかったのか?


いいや、コックのBさんの態度は明らかにおかしかったそうだ。


「Bさんは、何かを隠していたに違いない」と、今でもときどき思い出すのだとか。


謎の多い話だが、「世の中には、不思議なことってあるのかもしれない」とAさんはしみじみ言っていた。


posted by ぬーベー at 07:01 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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