2015年04月06日

山小屋の窓から覗くマッドピエロ

かれこれ10年ほど前の話。


友達から「山にある別荘に遊びに行かないか?」と誘われた。


別荘という非日常な響きを聞いて、俺は二つ返事でオッケーした。


なんでも、親戚の会社の別荘らしく、たまには人が入った方がメンテナンスになるということで、話が回ってきたらしい。


当日は、電車に揺られること数時間。


電車を降りると、今度はバスに。


バスから降りると、今度は徒歩で山道を歩いた。


男二人でずいぶんと遠くに来たもんだ。


ふと携帯で時間を確かめようとすると、電波が届いていない。


おいおい、嘘だろ?


ここは、電波も届かない場所なのか・・・


やっとのことで、別荘に辿り着いたのだが、事前にイメージしていた高級なロッジという建物ではなく、民家と山小屋のあいのこのような建物であった。


中に入って、まずやることは、建物内の掃除だ。


部屋、トイレを掃除し、布団を干してと大忙し。


掃除中、見たこともないようなデカい虫が多くて、俺はここに来たことを多少後悔していた。


一通り掃除が済むと、二人で食事にすることにした。


気が付けば夕方。


今日は朝飯を食べてから、何も食べていない。


腹ペコのまま、二人でレトルト食品を温めた。


レトルトでも、空気が良い山で食べると、とても美味い食事に早変わり。


二人は夢中で平らげた。


携帯の電波も届かず、テレビもなく、普段と全く違うこの空間。


だけど退屈はしなかった。


友達との会話は尽きず、ソファーに座りながらビールを飲む、ゆったりとした時間を過ごしていた。


この時間になると、やはり来て良かった気分になっていた。


もう、窓の外は真っ暗。


時刻は20時を過ぎていた。


そのとき、友達がおかしなことを言いだした。


「なあ、今窓の外で何か動かなかったか?」


一瞬、ドキッとする・・・


熊か?


二人で窓の外に近づくと、真っ暗な外に目を向ける。


暗くてよく見えない。


「気のせいかな?」


友達は自信なさげに言う。


気のせいだということにして、俺たちはまた先程座っていたソファーに腰かけたのだが。


ソファーに座った直後、俺が窓に目をやると、窓から人が覗いているのが見えた。


窓の外は暗くて見えないのだが、窓にぴったりと張り付いていれば話は別だ。


窓からは、ピエロがこちらを覗いていた。


窓ガラスにピッタリと張り付いたピエロが、こちらをじっと見ていたのだ・・・・


続き→山小屋の窓から覗くマッドピエロ2


posted by ぬーベー at 20:45 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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