2014年09月15日

小学生夏休みの恐怖 家出と怪人4

前回→小学生夏休みの恐怖 家出と怪人3


男の叫び声を聞くか聞かないかのタイミングで、俺は脱兎のごとく走り出していた。


とにかく全力で走った。


走って走って、とにかく走って、目についた部屋に飛び込んだ。


部屋に入ると、物陰に隠れる。


部屋の中から廊下に視線をやるが、そこには暗闇が存在するだけで人影はない。


友達もみんな、どこかに行ってしまい、はぐれてしまっていた。


今自分が何階にいるのかもわからなかった。


階段を降りた記憶はあるが、一体どれだけ降りたのだろうか・・・


頭に冷静さはない。


とにかく、怖かった。


得体の知れない恐怖と言うのだろうか。


さっきの男は何者なのか?


もしも、捕まってしまったら何をされるのか分からない。


漠然とだが死の恐怖すら感じていて、とにかく怖いのだ。


情けないが、身体はがくがくと震え、もう泣き出したかった。


それでも泣かなかったのは、声を漏らせばさっきの覆面男に、自分の居場所を教えてしまう可能性があったからだと思う。


恐怖に怯えながらも、意識だけは廊下に集中した。


男がこの部屋に入ってきたら、どうやって戦おう・・・


大人の男だ・・・絶対に勝てない・・・戦うなんて無理だ・・・


じゃあ、逃げる?


逃げられるのか?・・・怖い・・・怖い・・・・


そのとき、廊下で足音が聞こえてきた。


コツコツコツコツ・・・


早歩きで、廊下を歩いている音だ。


子供のスニーカーの音ではない。


間違いなく大人が廊下を歩いている。


俺の身体は硬直し、全身の毛穴という毛穴から、汗のような汗ではないような液体が一気に噴き出す感覚を覚えた・・・


コツコツコツコツ・・・


確実に、足音は近づいてきていた。


俺の身体は、硬直しながらもがくがく震え、歯がガタガタガタガタと音を立てている。


バカ!


歯の震え、収まれ!


このガタガタ音が、男に聞こえてしまうのではないかと、とにかく怖かった。


コツコツコツコツ・・・


もう、男の息遣いまで聞こえてくるような気がした。


そして、男の独り言も聞こえてきた。


「あのガキども・・・どこ行きやがった・・・ぶっ殺してやる・・・」


当然のことかもしれないが、暗闇でも俺たちが子供だとバレていた。


そして、男の独り言から、まだ誰も捕まっていないことが分かった。


だからと言って全く安心はできなかった。


というか俺は、無責任ながら、他の友達の誰かが捕まっていてほしかった。


今一番危ないのは、間違いなく俺だ。


自分が殺されるくらいなら、友達が先に捕まっていてほしかった・・・


廊下には、男の回中電との明かりがはっきりと見える。


その明りは、俺の隠れている部屋の入り口まで来ると、部屋の中を照らし始めた。


ヤバい!


俺は、出来る限り身体を小さくし、自分の命の最後を感じてしまっていた・・・


続き→小学生夏休みの恐怖 家出と怪人5


posted by ぬーベー at 21:02 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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