2014年08月04日

小学生夏休みの恐怖 家出と怪人

小学校の頃の話。


当時、実家の近所に建設途中のまま放置されていたビルがあった。


ビルと言っても6〜7階建てのそれほど大きな建物ではなかったが、部屋数もそれなりにあって昼間は近所の子供たちの遊び場と化していた。


一応は立ち入り禁止ということになっていたのだが、子供でも簡単に入ることができたのだ。


俺たちは、そのビル内に忍び込むのがとても好きだった。


たぶん、「大人に言えない悪いこと」をしている感覚が楽しくて仕方なかったのだ。


ビル内に忍び込んでやることと言っても、駄菓子を持ち込んで食べたり、かくれんぼや鬼ごっこをしたりとその程度の遊びだったが、背徳感というか罪悪感が心のどこかにあったせいで、十分な冒険ができたことを今でも覚えている。


でも、そのビルに俺たちが寄り付かなくなる事件があったのだ。


それは、小学5年の夏休みのことだった。


俺たちは仲の良かった仲間達8人で、ある悪巧みを計画していた。


悪だくみと言うのは、みんなで家出をしようという計画だった。


まあ、本格的な家出と言うよりもプチ家出になるのだろうけど、一晩家に帰らずに遊んで過ごそうという子供の発想の計画を立てたのだ。


もちろん、小学生が8人も家に帰らなければ、各々の家族が心配してしまい下手をすれば警察に届けを出されて、大事になりかねない。


もしそうなってしまえば、怒られるなんてもんじゃないくらい雷を落とされることだろう・・・


たかが悪ふざけで怒られるのはごめんだ。


俺たちは、「友達の家に泊まるから」と適当なことを言って家を抜け出すことにしていた。


家出当日、ドタキャンしてきた友人が2名。


「友達の家に泊まる」と家族に言ったところ「誰の家?後で、お礼しなくちゃ」的な流れになってしまったそうだ。


まあ、当然の流れかもしれないため、残りの6人は2人を責めようとはしなかった。


6人で向かった先は、例の建設中のまま放置されたビルだ。


各自、懐中電灯やら駄菓子やらコンビニのおにぎりやジュースを持ち込み、ピクニックと冒険を同時に行うような気分になっていた。


もしかすると、小学校の修学旅行よりもワクワクしていたかもしれない。


ワクワクドキドキしながら、俺たちは散々はしゃいだ。


走り回ったり、好きな女子の話をしたり、「やっぱ、女も誘えばよかったな」などませたことことを言ったり。


散々遊び、お菓子やおにぎりをたらふく食べ、俺たちは少し疲れてきていた。


時刻は確か22時ころだった気がする。


誰ともなしに、そろそろ寝るかと言いだしていた。


家出をすると言っても、皆10〜11歳のお子様たちだ。


22時にでもなれば、もう瞼は自然と閉じかけてくるのだ。


懐中電灯も消し、床にゴロンと横になり、いつの間にか夢の中へと落ちてゆく。


・・・どれくらい経っただろう?


その場にいた友人の誰かが言った。


「おい。みんな起きろ!誰か来るぞ!」


小声だったが、その声には恐怖が含まれており、皆はパッと目を覚ましたようだった。


懐中電灯をつけた奴を、俺が静止した。


「バカ!(俺たちの存在が)ばれるだろ!」


そう言いながら俺は、腕や脚が痒かった。


どうやら、寝ている間に散々、蚊に刺されたようだ。


でも、今は痒みを気にしてはいられなかった。


誰ががこちらに向かってきていたのだ。


コツン、コツン


という足音が廊下に響いていた・・・


続き→小学生夏休みの恐怖 家出と怪人2


posted by ぬーベー at 22:56 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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