2013年10月30日

山の廃車に潜む謎の小人吸血鬼

山の廃車に潜む謎の小人吸血鬼



これは、十年ほど前の冬に俺が実際に経験した実話の怖い話。



今までほとんど人に話したことはない。



話しても信じてもらえないからだ。



でも、俺の右腕には今もそのときの歯形がくっきりと残っているんだ。



十年前、当時付き合っていた彼女と街をプラプラしていた。



すると、俺の携帯が鳴り、液晶を見てみると彼女の友達Aからだった。



実は、その彼女はAという女友達に紹介してもらって付き合ったのだ。



「もしもし?よう、A。今、優子(彼女の名前)と一緒だぞ。」



「もしもし?あっ、そうなんだ?優子ちゃんと一緒なんだ?ちょうどいいや!ねえ、今から二人でうちのそばに来てよ。」



「なんだよいきなり?」



「私今、とにかく暇でさ!うちのそば、海もあるし、二人のデートにちょうどいいでしょ?」



「お前がこっち来いよ!」



「私、全くお金ないんだよ。電車賃ないの!」



そんなこと自慢げに言われても・・・



俺は、彼女の意見も聞いてみた。



彼女は、行っても良いということなので、これからAの指定する場所に二人で行くことになった。



電車で、Aの住む駅まで向かう。



この駅で降りるのは、俺も彼女も人生初だ。



こんな辺ぴなところ、知り合いが住んでいなければ絶対来ないだろう。



というか、本当にこんなところに海なんてあるのだろうか?



確かに地図上は、海の近くではあるけれど、駅を降りた感じからして海と言うより山といった感じだ。



まあ、いいや。



二人でAの指定する場所を目指して歩く。



だが、行けども行けども、どんどん人気のない道に進んでいく。



本当にこっちであっているのか不安になってくる。



俺は、Aに電話してみた。



「もしもし?」



「いまどこ?」



「そっちに向かってるよ。つーかさ、今○○ってところにいるんだけど、こっちであってるのかよ?」



「○○?どこそこ?」



「は?だって、お前が指定してきたんだろ?」



「私もこの辺り詳しくないんだよ。でも、たぶんそこであってると思うよ。とにかく、もっとそばに来たら、連絡して!」



そう言われて、電話は一方的に切られた。



もう結構歩いていて、足も疲れてきた。



彼女は、足の疲れよりも寒さがつらいと言っている。



くそ、Aの奴。



どれだけ田舎に住んでるんだよ・・・




つーか、だんだん山道に入ってきたし。




こんなところに、人が住んでるのか?




俺たちは、山道をひたすら進む。




寒さで不機嫌な彼女をなだめるため、いろいろ気を使ってきたがそろそろ限界だ。



少し休むか。



俺たちは、ちょっとした広場のような場所を見つけ、そこで休憩をとった。



この広場は人工的なものではないと思われた。



山に自然にできた空間なのだ。



もちろん、ベンチなどの気のきいたものなどない。



それにしても、喉が渇いたな。



こんな場所に自販機もないだろうし。



「ちょっと、自販機探してくるね!」



俺の心が通じたのか、彼女が何か飲み物を探しに行ってくれた。



・・・・・



・・・・遅い。



もう五分以上、彼女は帰ってこない。



道にでも迷っているのか?



俺は、彼女の携帯に電話してみた。



・・・・電波が届かない。



くそ、この辺りはどれだけ田舎なんだ。



だんだん、こんな辺ぴな場所に連れてきたAのことが憎たらしくも思えてくる。



10分待っても戻ってこない彼女を心配し、俺は探しに動き出した。



10分間動かなかったのは、以前、山で遭難したときはウロチョロするよりじっと動かずいた方が救助隊に発見してもらいやすいと聞いていたから。



俺がウロチョロと動き回ってしまうと、彼女がここに戻ってきたときに困るかと思ったのだ。



・・・・・・・




・・・・いろいろと、探してみたが、見つからない。



あっ。



いま、彼女が見えた気がした。



山の中に、なぜあるのか分からない廃車が転がっているのだが、その陰に彼女らしき人影を見たのだ。



あんなところで何やってるんだ?



「おーい、心配したぞ。」



声をかけても反応はない。



俺は、そのボロボロの車に近づいた。



車のそばまで来てみると、彼女の姿はない。



あれ?



おかしいな。



車の周りをぐるっと一周しても、誰もいない。



あれ?



見間違いだったか?



すると、そのとき運転席のドアが勝手に開いた・・・・



え、車の中にいるのか?



俺が運転席の方へ回り中を見る。



なぜだか、車の中は異常に暗くてよく見えない。



だけど、確実に中には誰かがいるようだった。



ガサゴソと音がする・・・・



汚そうで抵抗があったが、俺は中に体を入れた。



暗くてよく見えないな。



時刻は夕方でそろそろ日が沈むころだったが、それにしてもここは暗すぎる。



携帯のカメラ機能のフラッシュを利用し、辺りを照らしてみると誰も居な・・・くない・・・・



一瞬、誰もいないかと思った。



でも、そこにはいたのだ・・・



人間ではない、奇妙な生き物が。



体長は、20センチくらいだろうか。



いいや、30センチくらいあるのだろうか。



正確には大きさは分からないけど、とにかく異常な小ささの人だった。



人?



顔は人と言うより、鬼のイメージに近いかもしれない。



顔は、目がギュッと吊り上がっていて、口が顔の割合からしてかなり大きかった。



そして、半開きの口からは牙が覗いていた。



目の吊り上がった印象と、口の大きさと牙のことは特徴的で覚えているが、他の感じは覚えていない。



もう、そんなサイズの人が存在することにびっくりしたのと、顔が鬼のような形相だったことで、俺は一瞬で怯えてしまっていた。



怖くて声も出せない・・・



こういうときは、どうすればいい?



急いで逃げた方がいいのだろうか?



それとも相手を刺激しないように、そっとその場を去った方がいいのか?



そんなことを考えていたときだった。



その小人のような生き物は、俺の腕に噛みついてきたのだ!



「ききいいぃぃーーーー!!」




おかしな奇声を上げて、俺の腕に噛みついてくる。




俺は、とにかく叫びながら、その小人を引きはがそうとした。




アドレナリン出まくりだったのだろう。




痛みはその瞬間は全く感じなかった。



その小人、小さいくせに異常な力で剥がれない。



噛みつくというよりも吸い付くというような感じで、とにかく離れない。



なんだか、血を吸われているような感覚だ。。。。



この感覚は、もしかするとその場の恐怖心から俺自身が作り出した錯覚だったのかもしれない。



でも、そのときは「こいつ俺の血を吸っている!」、そんな風に感じてしまったのだ。



俺は命がけで生き残るために、携帯を持った左手で小人を何度も何度も殴打した。



もう、暗さと己のパニックでよく分からない状態の中、暴れに暴れた。



そして、気が付くと車外に飛び出していて、小人は腕から離れていた。



でも、どこに行ったのか分からない。



車の中にまだいるのか?



それとも、俺の背中や足に潜んでいるのか?



もう、とにかく怖くて怖くて、無我夢中で走る。



走って走って、ようやく先ほどの広場のような場所まで戻ってきた・・・・



そこに彼女は、ジュースを飲みながら座っていた。



そして、俺のことを見て言った。



「もう、どこ行ってたの?・・・・どうしたのっ?!その傷っ!?」




俺は、彼女を見たときに情けないことに泣いてしまった。



恐ろしくて、おっかなくて・・・・興奮状態だったのだが、やっと安心できたのかもしれない・・・



・・・・少し落ち着くと、俺は彼女に今あったことを話して自分の右腕を見た。



すると、そこには小さな肉食獣にでも噛まれたような歯形がくっきりと残っていて、ずいぶんと血が出ていた。



今はとにかく、水で洗い流したかった。



その後、その傷口はずいぶん腫れた。



毒にでも侵されたかと心配しながらも、病院へは行かなかった。



彼女は、泣きながら病院へ行くことを強くすすめてきたが、



「小人の吸血鬼に噛まれた。」



なんて、医者に説明したら、危ない薬でもやっているのかと通報されそうだと判断したからだ。



もちろん、薬なんてやっていないが、あまり真面目に生きてなかった当時は、いろいろと怪しまれるのも嫌だったのだ。(主にスロットで生計を立ててたもので)



1か月ほどで、傷はだいぶ回復へと向かった。



ただ、10年経った今も傷跡がはっきりと残ってしまっている。




あの謎の生命体は、いったい何だったのだろうか?




宇宙人なのか、新種の生き物なのか、鬼なのか・・・・




ちなみに、あの日は結局Aとは会えなかったし、このことが原因で縁も切れてしまった。




とても謎の多く残る不思議な恐怖体験であった。




「山の廃車に潜む謎の小人吸血鬼」終わり


posted by ぬーベー at 10:23 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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