2013年08月25日

リアル・ゾンビゲーム

リアル・ゾンビゲーム


高校のころの話。


サバイバルゲームなんてたいそうな言い方はできないと思うけれど、当時の俺はエアガンで遊ぶのが好きだった。


田舎に住んでいたものだから、近所の山で友達数名とエアガンで撃ち合う対戦ゲームをしていたのだ。


エアガンと言っても危険なので、一応ゴーグルだけは必ずつけるのが俺たちのゲームルール。


皮膚に当たる分には「痛い」で済むけれど、玉が目にでも入れば大変なことになりかねないのだ。


その日は、2対2での撃ち合いのゲームをしていた。


正確な時刻は、覚えていないけれど夕方だった。


もうすぐ日が暮れるころで、日が沈む前に最後のラストスパートで楽しもうと、ガンガン撃ち合っていた。


で、そろそろ終わりにして帰ろうかというときに、一人の友達のAが


「帰る前に、俺ションベンしてくる。」


と言い、茂みの方に消えていった。


すると、もう一人の友達Bも連れションに。


つまり、また2対2に分かれたわけだ。


おしっこに行った二人AとB、二人を待つ俺と友達C。


突然のことだった。


おしっこに行ったAが、焦った様子で走ってこちらに向かっている。


「どうしたの?」


と、俺たちが聞く前に、Aが大声で叫ぶ。


「逃げろー!」


慌てて俺もCも走り出す。


熊でも出たのかと思った。


数百メートル走っただろうか。


俺とCは、何のことかわからずに走らされ、これ以上は走れずにストップした。


すると、Aもしぶしぶそこに止まった。


「はあはあはあ、なあ?どうしたの?熊が出たとか?」


俺が聞くと、Aは意味不明なことを言った。


「はあはあはあ・・・俺にもよくわからないんだ。はあはあ、でも、ゾンビみたいな奴にBが襲われた。」


は?


ゾンビ?



最初、俺とCがからかわれているのかと思った。


「はあはあ・・・ゾンビ?お前、バイオハザードのやりすぎ(笑)」


Cが馬鹿にしたように鼻を鳴らす。


「はあはあ。。。ホントだって、Bの奴、今頃噛まれてるかも。」


そういや、Bはどこに行ったんだ?


ゾンビとかより、Bを置いてけぼりにしたことの方が、まずくね?


俺とCは顔を見合わせ、元来た道を引き返そうとした。


Aは必死に止めてくる。


「マジでヤバイんだって。本物のゾンビだから。」


俺は反論する。


「あのな。ゾンビなんか、本当にいるわけないだろ。あれは、オカルト系のゲームやホラー映画の世界のものだから。おそらくお前が見たのは、浮浪者に襲われているBの姿だ。俺たちは、Bを助けに行くから。怖いなら、お前一人でここで待ってろよ。」


早くしないと日が暮れてしまう。


一応、皆懐中電灯は持っているけれど、急がねば。


俺たちは、さっきの場所まで引き返したが、特に異変はなさそうだ。


Aは、距離をとって俺たちについてきた。


そして、エアガンをいたる方向に向けて警戒していた。


ゾンビ相手に、エアガンなんて利くかね?


と、そのとき、ガサゴソと近くの茂みが音を立てる。


Bかと思って、俺とCが声をかけた。


「Bかー?」


茂みから現れたのは、Bの姿ではなく・・・・知らない男。


ボロボロの服に、真っ白い顔に、白濁した目。


口の周りからは、血らしき赤いものがべったり。


まさに、絵に描いたようなゾンビだった。


映画やゲームでお目にする、ゾンビそのものだった。


俺たちは瞬間的に走り出す。


後ろからは、ゾンビが追いかけてくるのがわかった。


足音でわかる、こいつめっちゃ足速いぞ・・・・


俺たちは全員、普段から山で走り回っているものだから足だけは速かった。


でも・・・・


駄目だ追いつかれる。


俺の服を、後ろからゾンビが掴み、その衝撃で俺は転んだ。


そして、ゾンビに上をとられてしまった。


なんだ?


近くに来ると、異常に臭い。


だめだ、噛まれる・・・


そう思ったときだった。


シュッシュッ


と音が聞こえた。


AとCが、ゾンビ目掛けてエアガンを撃ってくれていたのだ。


Cが大きな声で


「目だ。目を狙え。」


と叫んでいる。


うまい具合に一発の玉が、目を直撃。


ひるんだ隙に、俺は下からゾンビの顔を思いっきり蹴り上げた。


そして、体勢を立て直し、脱兎のごとく、また走り出した。


俺の逃げ出す姿を見て、二人も走り出す。


相当走ったと思う。


気がつくと、山の入り口付近まで来ていた。


後ろからの追っては今のところ大丈夫そうだった。


3人とも異常に息が荒い。


俺は、二人にお礼を言った。


「はあはあはあはあはあ・・・・・助けてくれて・・・・ありがとう・・・・」


二人とも何も言わずに、目配せで返事をしてきた。


さっきのは、一体なんだったんだ?


俺たちは、一息つくと、Bを置いてきてしまった罪悪感に襲われた・・・


でも、もう一度助けに行く勇気はない。。。。


と、そのとき。


Aの携帯がなった。


出てみると、通話相手がBだったのだ。


俺とCに安堵感が。


どうやら、ゾンビに襲われたけれど、何とか逃げ切ったらしい。


なんでも、アーミーナイフをめちゃくちゃに振り回したらしい。


Bはコテコテの軍ものオタクで、山に行くときはいつもアーミーナイフを持ち歩いていたのだ。


その後、その山に行くことをやめた俺たち。


10年以上たった今でも、あれがなんだったのか謎なのだ。。。。


あれがもしも、本物で、俺たちの誰かが噛まれていたとしたら、、、そう思うと、ゾッとする。


やはりゲームと同じように、感染してしまうのだろうか・・・・?


謎が残る話だけれど、ゾンビゲームをリアル版で体験するのは、非常に怖いことだった。


「リアル・ゾンビゲーム」終わり


posted by ぬーベー at 20:05 | 本当にあった怖い話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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