2013年07月07日

追いかけてくる日本人形4


前回→追いかけてくる日本人形3



どんどん近づいてくる、追いかけてくる日本人形。



おそらく、今日中には自宅に到達してしまいそうな勢いだった。



昨日の夜、最後に見たときには、自宅アパートから10メートルの距離に座っていたんだ。



だから、今までのペースで考えると、今日中には家に来てしまう。



もうすぐだ。



もうすぐ、あいつが家の中に入ってくる・・・・



あの日本人形が自宅アパートに入って来たとしたら・・・・?



いったい、俺はどうなってしまうのだろうか・・・・?



友達何人かに電話して、「お前の家に、泊めて欲しい。もしくはうちに泊まりに来て欲しい。」と懇願するも、理由を言うと皆に断わられた。



馬鹿正直に俺が、日本人形に追われていることを言ってしまうのがいけないのかもしれないが、このことだけは伝えておかねばならない気もするのだ。



友達で1人だけ興味を示した奴もいたのだが、あいにく深夜のバイトで家に来られないのだという。



いろいろ考えて、対策を練ろうとするのだが、一向に良い案が浮かばぬまま、夜になってしまった。



お金があれば、近所のシティホテルにでも泊まるのだが、そんな金はない。



外で野宿も考えたが、外の方が危険な気がする。



漫画喫茶は?



生憎と、近所の漫画喫茶を知らない。



どうしたらいい?



・・20時



・・・21時



・・・・22時



時間は刻一刻と進んでしまう。



何も対策が立てられぬまま、ついにそのときが来てしまったのだ。



俺が、ベッドの上に座っていると、どこからともなく



キィーキィー


キィーキィー


という音が聞こえてきた。



来た・・・・



ついに来ちまった・・・・



そして、



「・・・ふふふ・・・・ふふふふ・・・・」



という不気味な笑い声も聞こえてきた。



その声は、男なのか女なのか分からない異常な声とでも言おうか。



高くもあり低くもある、老人のようであり子供のような声。



おそらくこの話を、俺が誰か他人から聞いたら信用しないかもしれない。



でも、実際にそれは、俺の身に降りかかってきたんだ。



キィーキィー


キィーキィー


「・・・ふふふ・・・・ふふふふ・・・・」



俺の部屋はワンルームなのだが、玄関口から部屋まで少しだけ廊下のようなスペースがある。



見ると、その廊下に日本人形が座ってこちらをジッと見ている。



俺は、恐怖のあまり凍りつく。



その日本人形は、俺の恐怖心を煽るかのように、ジワジワ、ジワジワ、ミリ単位で動いている気がする。



いいや。



気のせいではない。



少しずつ、少しずつ、こちらに近づいてきているんだ。



逃げ出そう!



ここは、アパートの2階だが、なんとか窓から飛び降りられるはずだ。



俺は、立ち上がり窓に駆け寄ると、鍵を開け、窓を開こうとした。



っ?!




開かない・・・



なぜか、窓が開かないのだ。



鍵は開いているはずなのに。



なんでだ?



開け、開け。



どんなに頑張っても、窓はピクリともしない。



まるで、なにか強力な力が窓を塞いでいるような、そんな感覚だった。



「ふふふ・・・・ふふふふ・・・・」



後ろからは、またあの不気味な笑い声。



怖い・・・・



誰か助けてくれ。



振り向くと、日本人形は、もう部屋の真ん前まで来ていた。



でも・・・・



ここからが不思議だった。



人形は、一向に部屋の中に入ってこないのだ。



1分経っても、2分経っても入ってこない。



・・・・・・・・・・・・・



どれくらい時間が経過しただろうか。



突然日本人形の首が動き、俺の少し横あたりを見た。



そして、



「それ嫌い!」



とはっきり言ったのだ。



次の瞬間、日本人形は消えていた。



俺は、腰が抜けそうになりながらも立ち上がると、窓を開けてみた。



ちゃんと開く。



助かったのか?



知らないうちに、俺は汗だくになっていた。



それにしても、「それ嫌い!」の意味が分からなかった。



いったいどういうことなのだろうか。



俺は、最後に日本人形が見た辺りに行ってみる。



そこには、棚があるだけなのだが。



そのとき、ふと気がついてしまった。



半年前、開運のために買った護符が棚の上に置いてあったのだ。



俺は、すぐに調べてみた。



護符。



護符とは持ち主に幸運をもたらすだけでなく、魔除けの効果があるらしい。



このお陰で俺が助かったのかどうかは分からない。



でも、俺はそれ以来、護符を大切に扱っている。



もしも、また何か悪いモノが憑いたときは、きっとこいつが守ってくれる。



命の恩人と呼んでもいいような、一生の宝だと思っている。



それから、日本人形は見ていない。



もう、あんな恐ろしいモノに追われ、寿命が縮まる思いはご免こうむりたい。



追いかけてくる日本人形>終わり


posted by ぬーベー at 14:51 | 本当にあった怖い話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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