2013年06月17日

追いかけてくる日本人形2


前回→追いかけてくる日本人形



日本人形がブランコを漕いでいるのを見たとき、全身に冷や水を浴びたかのように、鳥肌を感じた。



次の瞬間、俺は脱兎のごとくその場から逃げ出した。



おそらく、相当みっともないくらい崩れた走り方をしていたと思う。



あまりの恐怖で、走り方も忘れてしまったのかもしれない。



暗闇の中、無我夢中で走った。



何度か転んだが、痛いなんて言っていられない。



俺が逃げている間にも、



キィーキィー


という音は止まることがなかったような気がする。



もう、走るのをやめたら最後、命でも奪われるかもしれないという、わけの分からぬ恐怖感に包まれてしまっていた。



気がつくと、宿泊先の目の前まで来ていた。



激しく息が荒い。



とにかく、中に入ろう。



俺の息が荒いためか、



キィーキィー


というと音は、とりあえずは聞こえて来ない。



おそらく、もう距離的に聞こえないはずなのだが、それでもどこか不安が残っていた。



気を抜けば、今度は耳元からキィーキィーという音が聞こえてきそうな嫌なイメージが沸き起こる。



俺は、その日は布団を頭までかぶって眠った。



なかなか寝付けなかったが、それでもなんとか少しだけ眠ることが出来たのは、不幸中の幸いかもしれない。



次の日、宿泊先の人に聞いてみた。



「山の途中の公園は、どんな場所なのか?」



「この辺りになにかいわく付きの場所があるのか?」



「日本人形にまつわる怪談はあるか?」



などなど。



複数の人に聞いてみたのだが、誰もそんな話は聞いたことがないという。



俺があまりにしつこく質問するものだから、逆に質問をされ返された。



「何かあったの?」



と。



俺が正直に昨日見たものを言うと、皆口を揃えて



「疲れてたんじゃない?」



と言うのだ。



みんなにそう言われると、確かにここのところ自分が疲れていたことを思い出した。



最近、睡眠時間がいつも足りていない。



そうか、俺は疲れていて、ありもしない幻覚を見てしまったのか。



だんだん、そんな風に思えてきた。



うん、気にするのはやめよう。



幻覚だと思えたら、なんだか気が楽になり、元気になってきた。



そして、無事に俺の田舎暮らしの期間(全部で1週間)が終わり、自宅に戻ることになった。



帰る日も何かとやることが多く、帰りの電車に乗り込んだときには日が暮れてしまっていた。



窓際の席を確保できた俺は、少し眠ろうと思っていたのだが、なんとなくあの日本人形のことを思い出してしまった。



あれは、疲れによる錯覚だったんだ。



そう結論が出ているはずだった。



でも、本当にそうなのだろうか?



あのとき見たものすべてが、本当に幻覚だったのだろうか?



俺が、頭の中でそんな疑問を抱いたときだった。



どこかから、



キィーキィー



という音が聞こえた気がした。



そんな馬鹿な。



ここは電車の中だ。



ブランコなんてあるはずがない。



「俺、相当疲れてるわーー。」



怖かったのだと思う。



俺は、わざと声に出してつぶやいた。



気のせい、気のせい。



キィーキィー



また、聞こえてしまった。



う、嘘だろ?



これ幻聴だろ?



俺が、恐怖におびえながらも、ふと窓の外を見たとき・・・・



時間にしてわずか1秒ほどだが、見えてしまった。



窓から見える、電車の光が届くギリギリの位置に、日本人形が置かれていたのを。



走っている車内からだから、長い時間見ることは出来なかったが、日本人形が窓の外に、ポツンと座っていたのだ。



続き→追いかけてくる日本人形3


posted by ぬーベー at 23:07 | 本当にあった怖い話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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