2013年03月25日

奇妙な話「ストーカー」2


前回→奇妙な話「ストーカー」




私はパニックになりながらも、実家の母から持たされていた防犯ブザーの栓を引き抜いた。




ビビビビーーーーーーー




すさまじい音が、あたりに響き渡る。




と同時に、私を羽交い絞めにしていたすさまじい力から解放された。




私は、後ろを振り向くこともせず、とにかく走った。




振り返ることが怖かったのだ。




アパートの前でやっと振り返れたが、そこには誰もいなかった。




もうその日は怖くて怖くて、しばらく寝付けなかったくらいだ。




次の日、珍しく例の中年男性と朝に顔を合わせることがなかった。




おかしなこともあるものだ。




次の日も、その次の日も顔を合わせることはなかった。




襲われた日から10日ほど経っただろうか。




朝私がアパートを後にすると、




「おはようございます。」




突然、声をかけられる。




声のほうを向くと、あの中年男性の姿が。




私はいつもどおり、挨拶を返したが男性はなんとなくそわそわしていたように思えた。




そして、また普段の生活に戻る。




男性とは毎朝顔を合わせ、そして私の行く先々でも顔を合わせる。




もう気にするのはやめた。




気にしだすと疲れるのだ。




しばらくして、私には彼氏ができた。




バイト先で一緒に働いていた人なのだけれど、プロの格闘家の人だった。




格闘技だけで食べていくことができずに、バイトを掛け持ちしている人なのだ。




この話で、本当に奇妙なことはここから。




私に彼氏ができてからというもの、あの中年男性とは2度と会うことはなくなったのだ。




朝アパートの前で顔を合わせることもなければ、行く先々で会うこともなくなった。




この一連の奇妙な話を彼氏にしてみると、彼氏は少しためらってからこう言った。




「実はさ。お前と付き合うようになってから、変な嫌がらせをされるようになったんだ。家の鍵穴にガムが詰め込まれていたり、郵便受けに生ごみが捨てられていたりさ。で。ある日、うちの郵便受け覗いたり、人ん家の前で、こそこそしているオッサンを見つけてさ。俺、そのおっさんをいろいろ問い詰めたんだ。でも、何聞いてもしらきるから、頭にきて1発本気のローキック入れちまった^^;そしたら、泣いて謝ってきたよ。今まで申し訳ありません、もうしませんってさ。それ以来、嫌がらせもなくなったんだ。もしかすると、すべての話がつながっているのかもな。」





彼氏に嫌がらせをした人と、私が良く顔を合わせていた中年男性が同一人物である確証はありません。




でも、どうにも引っかかることが多い奇妙な話なのです。




あの人は、ストーカーだったのでしょうか。




奇妙な話「ストーカー」、終わり


posted by ぬーベー at 19:23 | 奇妙な経験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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