2013年01月30日

実話・南千住の怪談2


前回→実話・南千住の怪談



深夜2時近く、着物着た女性がこんなところで何しているんだ?



不思議に思ったものの、それほど気には留めなかった。




疲れていてそれどころではなかったのかもしれない。



そのとき、真後ろで声がした。




俺はきっとビックッとなったと思う。



振り返ると、先ほどの着物の女性。



小さな声で俺に話しかけてきている。



たぶん、俺と女性の距離は10メートルは離れていた。




それを確認したのはわずか数秒前だぞ?



足の痛い俺は、確かにゆっくり歩いていた。



でも、歩いてはいたのだ。



女性が走れば別かもしれないが、10メートルの距離を数秒で縮められるものだろうか?




と、ここまで冷静な分析はあのときの俺はできなかったが、少し不気味には感じていた。




女性は小さな声で、「コヅ・カ・×××・・じょ・どこですか?」と言っている。



どうやら道を尋ねたいみたいだが、何を言っているのか聞き取れないし、俺は東京の人間じゃない。




「あの、すみません。俺、この辺の人間じゃないんすよ。」




俺がそう言い終わるか終わらないうちに、女性はさびしそうな顔をして




「わ・かりました・・・」



と小さく声を出す。




俺は、前を向き歩き出しながら考えた。



少し冷たかったかな?



もうちょっと親切に、一緒に場所探した方が良かっただろうか?



深夜、道に迷って困っているのかもしれない。



など考えてしまった。



女性のさびしそうな顔で罪悪感を感じてしまったのだ。




よし、一緒に探してやろう。



そう思い、振り返る。



そこに女性の姿はなかった。



せいぜい10数秒の間に忽然と。



あたりを見渡したが、横に曲がる場所も身を隠す場所もなさそうだ。




俺は全身に寒気を感じた。





足の痛みや疲れは吹き飛んでしまった。




とんでもない恐怖感に襲われ、走って家に帰った。




家に帰り着いた後も、しばらく震えが収まらなかった。




その後、あの女性と会うことはない。



俺が10年前に体験した、実話の南千住の怪談だ。



終わり


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posted by ぬーベー at 10:06 | 怪談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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