2013年01月14日

本当にあった海の怖い話3


前回→本当にあった海の怖い話2



途中何度か振り返りたい衝動に駆られた。



でも、振り向いた瞬間にまた足首をつかまれそうな気がしたから、1度も振り向かなかったと思う。




たった数十メートルの距離が、無限にも感じた。




やっとのことで砂浜に着き、友人たちの下に行けたときに初めて「生」を実感できたような気がした。



友人の一人は、



「どうした?泣きそうな顔してるぞ^^」



と言って半笑い。



俺はパニックになりながらも今起きたことを説明したが、友人二人ともまったく信用しない。




一人は笑って聞いているし、もう一人はまったく関心なさそうにコンビニで買ったおにぎりにかじりついていた。



もう、理解してもらうのも、説明するのを諦めた俺は、その日はほとんどしゃべらなかった。



正確に言えば、しゃべれなかったのかもしれない。



頭の中が「あの手」のことばかりで、他の話題に移れないのだ。




それから、もう俺の前にあの手が現れることはなかった。



そして、この話には後日談があるのだ。



その「手」の海水浴の年から約10年が経ったころ。



俺は流されるように大人になり、サラリーマンをやっている。



そんなある日、知り合いのイベントに呼ばれたときのことだった。



大して仲良くない顔見知り程度の知り合いAに、イベント会場で偶然再会した。



顔見知り程度だから、俺もAも挨拶もそこそこにその場を離れた。



だが、そのAの連れらしき男が、直後に話しかけてきた。



男の、歳は俺と同じくらいか?




かなりのイケメンで、独特なすごいオーラ(?)のようなものがある人物だった。



その男は、俺に軽く挨拶をし、自分の名前を「すばる」だと名乗り、突然おかしなことを言い出した。



「もう、水が怖いのは治りました?」



俺としては、



「はい?!」



と返すしかない。



だが、思い当たるところがあるのだ。



俺は、きっといぶかしげな顔をしてその「すばるさん」をじっと見た。



すばるさんは俺の視線などお構いなしに続けた。



「海でおぼれるのって怖いですよね。チビちゃんには、しっかりお礼言わなきゃだめですよ^^」



笑顔で言い放つ。



最初警戒していた俺も、驚かざるを得ない。



俺は何も口を開いていないのだ。



知り合ってから、1分も経っていない。



なのに、意味不明なことを言いながらも、俺の過去を当てたのだ。



チビちゃんってなんだよ?



「あの、すばるさんでしたっけ?霊能者なんですか?」



俺はたまらず聞いた。



「いえいえ。世の中に“霊能力”そのものがあるのか、私には分かりません。でも、私がちょっと特異体質なことは確かですね^^」



彼は、言い終わるとまた笑顔になる。



「あの、どういうことか説明してもらえません?海でおぼれたとか、俺の過去を知っているような感じですけど・・・・」



断っておくが、俺は足首をつかまれた日に友人たちに説明しても、まったく相手にされなかったことから、その後誰にもこの話はしていないのだ。



なのにこの「すばる」という男は、いきなり俺の過去を言い当てた。



そして、このあと彼の口から出た言葉を、俺は一生忘れないだろう。



あの日、俺が海で体験した裏には衝撃の事実が隠されていたのだ。



続き→本当にあった海の怖い話4


posted by ぬーベー at 09:04 | 本当にあった怖い話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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