2013年01月10日

本当にあった海の怖い話2


前回→本当にあった海の怖い話



右足に絡み付いていたのは、人間の手だった。



決してきれいな海ではないから、下は見えない。



ただ、触ってみれば分かる。



完全に手だ。



俺は怖いというより、それ以上にパニックだった。



意味が分からず、どうしていいかも分からない。



大声を出そうにも、水面ギリギリで顔を出すのが精一杯で、友達を呼ぶことも出来ない。



パニックになりながらも、呼吸したらもぐる、呼吸したらもぐるを繰り返しながら、俺の足首を掴む謎の手を振りほどこうとしていた。



だが、一向に解けない。



というか、むしろさっきより強い力で握られている気がする。




このままだと、息も危ないかもしれない。



少しずつ少しずつ、息が苦しくなってくる。



波とのタイミングが合わないと呼吸が出来ないからだ。



冷静に波を見ることが出来れば、きっと呼吸も出来る。


でも、今はまったく冷静ではない。



タイミングを間違えて、何度も海水を飲んでしまったし、鼻から水をたくさん吸い込んでしまった。



それでなくても苦しいのにむせて、呼吸がやばい。



数分格闘している気がする。



友人たちはおそらくもう浜辺へ戻ってしまった。



俺は、一人で遊んでいるとでも思っているのかもしれない。



初めて冷静にそんなことを思ったとき、自分の最後を感じた。



あ、もうだめかも。



限界を超えて苦しくなった。



右足首を掴む手の力は、もう信じられないくらいの強さになっていた。



俺は、諦めた。



人間には勝てない。



そう思ったときだった。



あれだけ強く握られていた手が、ぱっと離れたのだ。



まるで今までのことが嘘だったかのように、手がなくなった。



そのとたんに俺は、夢中で息をした。



空気がこんなにありがたいものだとは思わなかった。



そして、一目散にそこから離れる。



海の中で走れないのがもどかしい。


いつまた、あの手が襲ってくるのかが分からない。



怖くて仕方がなかったが、とにかく無我夢中で砂浜めがけて俺は走った。




続き→本当にあった海の怖い話3


posted by ぬーベー at 08:02 | 本当にあった怖い話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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