2012年12月23日

怖い話実話 長編「夢でよかった」6


前回→怖い話実話「夢でよかった」5


画面には俺の寝顔が映っていたのだ。



ということは、この撮影者は、俺が寝ている間に俺のこの部屋に侵入したってことだ。。。



疑うことなく安全であると信じていたこの部屋。



くつろげて居心地の良かったこの部屋。


今はもう、恐ろしくてたまらなくなっていた。



すぐに、この部屋を出よう。



今日、引っ越そう。


引越しの費用も、引越し先も何もない。



でも、こんな部屋には1秒でもいたくなかった。



財布と最低限必要な物だけバッグに詰め込む。



その間、まだビデオは再生されていた。


ふと、画面を見るとまだ真っ暗。


だが、小さな声だが、撮影者と思われる人間の声が入っていた。



かすれるような小さな声。



それでもはっきりとした声で、こう言った。


「ねえ?・・・・夢でよかった?・・・」


男の声だ。。。。


言っている意味は良く分からない。


それがまたたまらなく怖かった


こいつ完全にいかれてる。


俺はとにかく、一刻も早くこの部屋から出たかった。



1分で身支度をすると、俺はビデオとテレビも消さぬまま、アパートを飛び出した。



行くあてはなかったが、とにかく誰かの側にいたかった俺は、大学の友達の家へ向かった。


当時は携帯なんて無く、ポケベル全盛期。


行く途中に公衆電話から、友達のポケベルに文字を打つ。



何度も、何度も、入力を間違える。




指が自分のものではないようだ。



「イマカラオマエノイエイク ××(俺の名前)」



これだけ打ち込むのに、何分かかったろう。



認めたくないが、頭から指の先まで恐怖に支配されているのだ。



そのまま、駅に向かった。


途中何度も何度も振り返る。


尾行されていないか?


俺のことを見ている人間はいないか?



あの撮影者がすぐ側にいるような気がして気が気じゃないのだ。



やっとのことで駅に着き、電車に乗り込む。


これから行く友達がもし家にいなかったら、俺はどこに行けばいい?



「ああ。もう、誰か助けてくれ。」



続き→怖い話実話「夢でよかった」7


posted by ぬーベー at 06:15 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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