2012年12月22日

怖い話実話 長編「夢でよかった」5


前回→怖い話実話「夢でよかった」4


映像は、フラフラ画面が揺れながら、俺のアパートの前まで来た。


そのまま、外の階段を、



コツ、コツ、コツ



と上りだした。


俺の部屋は2階の、一番手前の部屋だった。


その先を見るのが嫌だった。



でも、見なければならない。



その映像は俺の部屋の前で止まる。



え?



嘘だろ?



部屋の鍵を開けようとしている。



「何で鍵持ってんだよ?!」



パニックだった。



撮影者は、鍵を開けると、すごくゆっくり、とてもゆっくりと扉を開いた。



きぃーー



扉が小さな声できしんでいる。



新しい建物ではないからだ。


でも、その音が今は女性の叫び声のように聞こえた。



撮影者はゆっくりと室内に上がりこんできた。



「これっ、いつの映像だよッ!」


俺は自分でもびっくりするほど大きな声で叫んでいた。



大きな声を出すことで、自分を勇気付けたかったのだと思う。



もうそれしか出来ない。


撮影者は、ゆっくりだが確実に室内を歩き回る。



部屋の明かりをつけていないから、暗くてまったく室内が見えない。



ただ、暗い画面が揺れている。



突然、映像が暗闇で何かを捕らえた。



きっと、ビデオカメラが何かに急接近したのだ。



暗くてほとんど見えない。


でも、俺にはビデオが今何を撮影しているのかが、分かってしまった。


情けないことに、俺は足をがくがくと震わせている。



「なんで・・・・」



「なん・・で・・・俺の顔が映ってるんだよ・・・」




そう、そこには俺の寝顔が映っていた。



続き→怖い話実話「夢でよかった」6


posted by ぬーベー at 05:44 | 実話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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